物の怪に憑かれた葵上は、なすすべもない一枚の小袖の着物。照日(てるひ)の巫女は梓弓を鳴らし、霊を呼び出だす。 若松健史 夢かうつつか幽かな世界に梓の弓が鳴り響く。その音に引かれ、高貴な女性の生霊が姿を現した。 鵜沢雅 生霊は元の皇太子妃、六条御息所。光源氏との華やかな日々も夢の彼方へ去り、今はただ、若き葵上を恨むのみ。 中森貫太 一足ごとに増す、尽きせぬ恨みに突き動かされ、一足、また一足と生霊は歩を進める。 津村礼次郎 津村礼次郎 生霊の行く手には、葵上。嫉妬も極まり生霊は、若き後妻を打ち据える、後妻(うわなり)打ちで厳しく責め立てる。 高橋勇 その嫉妬はまさに炎。激しい嘆きのうちに、生霊はみずから姿を隠し、変化の時を待つ。その姿はいまだ高貴な面影を宿し、痛ましい。 喜多六平太 嫉妬の恨みは、美しい雅やかな女性も鬼に変える。 津村礼次郎 生霊は、怨霊と呼ぶにふさわしい恐ろしい般若となった。 津村礼次郎 法力に秀でた修験者、横川(よかわ)の小聖(こひじり)は、鬼女となった御息所の霊に対峙する。 津村礼次郎 秘法を尽くす刻がきた。 橋岡久馬 仏法の理は、声と言葉に乗って広がっていく。その恵みは怨霊の尽きせぬ恨みまでをも和らげる。 遠藤勝實、和泉昭太郎 粟谷辰三、宝生彰彦 [一時停止中。画像クリックで再開します]
|
写真:森田拾史郎
PhotoStoryは自動で開始します。停止するには写真をマウスでクリックしてください。