松の枝に残されたその衣は世にも美しく、素朴で無骨な漁師、白龍の心をとらえて離さなかった。思わず取って、持ち帰る。 宝生閑 羽衣を奪われた天女の姿は、頼りなく、はかなげで、あまりにもいたわしい。 観世喜之 返し給えと請う天女の優しい声も、白龍には響かない。力なく、天女は彼方の空を懐かしむのみ。 逸見漢子、鏑木岑男 天女の素直で美しく、偽りのない心に触れ、白龍は自らを恥じる。返された衣を着す天女が、神々しい姿を現した。 津村礼次郎 凛と舞う天女の姿が、春爛漫の三保の松原を彩る。 津村礼次郎 月の宮の有様を奏でる羽衣の袖は、あらゆる舞いの手を宿すよう。 観世喜之 満月の輝きの中、風に衣をたなびかせ、やがて天女は空の彼方、月の宮へ。 津村礼次郎 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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