能に親しむようになると、番組に時々あらわれる、「披キ」という言葉に気がつくことでしょう。これは、ある程度修業を積み、宗家の許しを得て特別な演目を演じることを指します。
よくあるのが、乱拍子や鐘入という秘事や難度の高い技が含まれる「道成寺」。この、いわば通過儀式を演じてようやく一人前のシテ方と認められるのです。「道成寺」の他に、特殊な舞が含まれる「石橋」「乱」も、初演にあたっては宗家の許しが必要なため「披キ」と呼ばれます。
「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。