能の舞台は、いつの間にか始まり、ひとときの夢のごとく終わる世界です。その余韻を味わうために、終演時に拍手をしない方がよいと考える能ファンは少なくありません。しかし、芸術の鑑賞でそのようなマナーは大切ですが、その人の感動を示す表現が拍手であれば、一律に禁止する必要はないのではという意見も多くあります。ただし悲劇的な結末の演目では、ひかえるべきでしょう。
また、舞台が空になるまで上演は続いています。シテ、ワキ、地謡……、と舞台から退場するたびにパラパラと拍手をする「必要」はありません。
「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。