有力な説のひとつに、中国の陰陽五行説で万物の5元素とされる「木・火・土・金・水」からきているというものがあります。色で表すと「あお・赤・黄・白・くろ」で「あお」は緑、「くろ」は紫に対応しています。
日本人は伝統的に右を始まりとしますが、揚幕では一般的に橋掛かりの方から見て、右から「緑・黄・赤・白・紫」の色が使われています(五行説で黄と赤が入れ違う理由は調査中)。しかし、国立能楽堂などは橋掛かりから見ると、右から順に「紫・白・赤・黄・緑」と逆になっています。これは役者が出てくる鏡の間を基準にして舞台を見ているから、といわれています。見所側と鏡の間側と、立ち位置の違いで見方が違うわけです。