日本の年末の代名詞とも言えるのが、クラシックコンサートでの“第九”。ベートーベン最後の交響曲「交響曲第9番ニ短調作品125」は別名「歓喜の歌」とも呼ばれ、素人が練習を積んで年末に“第九”を歌うというもの。同じように「能楽大連吟」が年末に行われています。(現在は、京都・大阪での開催)
12月末の本番に向けて10月から月3回ほど稽古を重ね、200名ほどで「高砂」を謡うのです。参加者は小学生から80歳代と幅広く、謡い初心者の人も多いとか。そんな参加者たちに、少人数で6回、全体で3回の稽古をつけてくれるのがプロの能楽師の方々。またとない機会に遠方から参加する方もいるそうです。
「高砂」が謡えるようになるだけでなく、姿勢や発声のほか、礼儀作法や世代を超えた人と交流できるのも人気の理由。
長寿や夫婦愛、国土安寧を祝う「高砂」を高らかに謡い上げ、日本文化の一端に触れる年の瀬を迎えるのも粋ですね。